【思い出多き佐渡大会】 今回、12年ぶりで佐渡島を再訪することできた。 振り返れば'07年から'11年まで5年連続で参戦・完走させてもらったとても懐かしい大会である。 当時は自家用車に装備一式と、キャンプ道具を満載し、小樽~新潟間フェリーでゆったり時間をかけての大遠征であった。 |
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久しぶりの佐渡と言うことで、春先から練習にも身が入っていたのだが・・・。 8月9日にまさかのコロナ感染、そして、8月20日には絶不調ながら北海道トライアスロンに強行参戦。 この時は、バイクもランもコースがどこもかなりの上り坂(下り坂でも)に見えた。 その後もコンディションは整わず、不安を抱えたまま佐渡へ向かう羽目に・・・。 おまけに、連日の熱中症アラート発令でまさかの開催危機。 前日のジュニアトライアスロンは中止。大人の部は、当日午前4時に全面開催が確定、そんなこんなで不安を抱えたままのスタートとなった。 |
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【スイム,4.0km,1:26:07(佐渡でのベストタイム,'08年,1:14)】 発表された水温は29℃。 ウエット不要の水温(25℃以上は自由)だけど、まったく自信がないので、熱中症覚悟でもちろん着用。 昔は1周4kmの長大なコースで「こんなに沖に来て大丈夫かな?」と思いながら泳いでいたが、今は1周2km三角形のコースを2周なので少しだけ安心。 |
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スタートはいつものように一番前の方、左端の大外から。 ひたすら混雑回避作戦。おかげで接触は最低限で進むことができた。ブイを回って浜へ向かうときは朝陽が眩しいが、進行方向を定める目安になって良かった。 決して無理することなく、スイムジョグという感じで熱中症回避を心がける。一度浜へ上がり時計を見ると42分。 2周目突入。引き続き大外コース。左呼吸でブイは見えにくいのだけど、遠くの一番大きなブイをできるだけ見定めるようにする。最後のブイを回って浜に向かう時は、きれいな海を楽しむ余裕が出てきた。 |
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【バイク,190.0km,7:27:02(佐渡でのベストタイム,'11年,6:51)】 ここから佐渡島一周の長丁場、「抑えて、抑えて」と自分に言い聞かせるが、気づくと90回転を軽く越えている。 下りの爽快感、思わず歓声をあげる。 天気は申し分ない。小さなアップダウンを繰り返し海岸線を進む。 懐かしい佐渡の風景、稔りの季節を迎え色づいた稲と青い海と空、美しいコントラスト。 |
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澄み渡った海を左手に見ながら、やがて佐渡名物「Z坂」に。 まだまだ序盤なのでグイグイ行ける。大野亀、二ツ亀の坂も快調に越えることができた。大佐渡を回るとドンと南下。下り基調でしかも追い風、ビュンビュン飛ばす。 100km地点を過ぎ、両津の街を抜け再び海岸線に出る。また小刻みなアップダウンが始まる。 登りで急に左内転筋に痙攣勃発。やばい、まだあと半分。 もう痙攣が来てしまうのか、年は取りたくないものだ。 とりあえず、左足を休めるように右主導でペダルを回す。が、いきなりの痙攣はかなりしつこい。「おさまれ、おさまれ」と念じているうちになんとか復帰。が、もうこの時が地獄の始まりだった。 以後、右、左、右と同じ内転筋の激しい攣りが続くことになったのだ。トップチューブにセロテープで貼り付けた「塩熱サプリ」をまとめ摂りするが焼け石に水。 |
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ここから、いつも難敵だった激坂『小木坂』をいかに越えるか? しきりに考え始めた。 『小木坂』対策で、北斗→湯ノ川→恵山→鹿部→大沼と回ってきて、最後に城岱ごえとか坂練をしてきたが、足が攣っては越えられない。 めったに止まることがないエイドで水をガバガバかけてもらい、おにぎりを2つイッキに頬張る。 |
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これらの甲斐があってか、奇跡的に痙攣が治まってくれ、なんとか『小木坂』を越えることができた。が、残りの15kmほどはもう時速15kmとか・・・。 それ以上回すと両足いっぺんに痙攣が来て、本当に動けなくなってしまう。 バイクに体を運んでもらってるという感覚だった。 '11年に記録したベストタイムからは30分以上の遅れ、練習法の見直しが必要だ。 |
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【ラン,42.2km,5:39:11(佐渡でのベストタイム,'11年,4:30)】 ヨタヨタとなんとかスタート。もちろん歩き。 足を前に出そうとするとバイク時の内転筋ではなく、今度はハムストが攣りそうになる。 そろりそろり。しかし、このまま歩きでは制限時間に間に合わない。 とにかく水をかぶり、飲み、前に進むしかない。ギラつく太陽は全身を焼き尽くす勢い。 最初はキロ8分以上かかったが、少しずつ走れるようになり、キロ7分半で進めるようになってきた。 メイン会場に戻り、街の方へ。2度の折り返しで商店街を抜け2周目へ。 エイドでは水をかぶりまくり、飲み物とおにぎりを歩きながら補給。しばらく歩いてから徐々に走り出す・・・を繰り返す。 陽が傾き始めると体は少し楽になってきた。周回なので向こうからやって来る北見時代の仲間とエールを交わしながら進む。 30kmを過ぎるとまたペースが落ちてきてキロ8分半に、けれども粘る。 4周目、ゴールまで2km、暗闇の中に私を見つけてくれた加藤さん、藤澤さんが声をかけてくれた。商店街ではたくさんの人が応援してくれ、懐かしい歌謡曲がガンガンかかっている。 |
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「またここに来られて良かったな」と思ったら涙が出てきた。 そしてついに長い長い1日が終わる。 20時41分、光り輝くフィニッシュゲートへ。 朝6時にスタートしてから14時間と41分。 佐渡ワーストタイムだけど、最後まで動けたし、終わり良ければ全て良しの笑顔でフィニッシュ!! |
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■ゴール,236.2km,14:41:10(ベストタイム,'09年,13:01) 佐渡での自己ベストからは1時間40分の遅れ、制限時間までの余裕は48分しかなくなってきた。練習方法、食事、休息、日常生活、すべてを見直していかないと・・・。 【佐渡での滞在について】 今回は佐渡に移住された、士別時代の同僚(ご夫婦とも)宅に全泊ともお世話になった。 食事、フェリーターミナルや会場への送迎、島内観光、すべてお世話になった。 おかげさまで、今まで知らなかった佐渡の暮らしや食、風景に触れることができた。とてもありがたかった。 |
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